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虫追い祭~稲作とともに300年続く伝統行事

 田主丸・虫追い祭りは300年以上続く祭りで、3年ごと11月中旬に行われます。虫追い祭りは全国にあれど、武将人形をぶつけあい作り物の大馬が暴れる喧嘩祭りは田主丸だけです。武将は『平家物語』の篠原合戦に登場する斉藤別当実盛と手塚太郎光盛の2人。討ち取られた実盛は稲の害虫と化したとされ、人形もサネモリムシと呼ばれます。
 

 
 既に宝永5年(1706)には田主丸の虫追い祭りがあったことが『石原家記』という古文書から確認できます。民俗学者・柳田国男も、田主丸の虫追い祭りの様子を雑誌で紹介したそうです。
 祭りの本来の目的は、大量発生した稲の害虫をたいまつで焼き払うことでした。したがって祭りは害虫の発生に応じて稲の収穫より前に、集落ごとに行いました。
 

 
 現在は、JAにじ田主丸地区青年部が祭りを主催しています。準備は10月から始まります。稲藁と竹柱を材料に人形を毎回新たに作ります。大馬は昭和52年(1977)製の物を修繕して使います。11月に入ると2週間、早朝練習で人形と馬の重量と操り方を体に沁み込ませます。
 そして11月中旬の本番当日。朝7時半に100人前後が田主丸天満宮に集まり出陣式を行い、そこから一日かけて保育所や田主丸中心街など町内の各所で祭りを披露します。最後は夜に巨瀬川の中で大合戦を繰り広げるのです。
 田主丸小学校でも1980年代頃から、地元の伝統行事を継承するため、運動会で子ども用の人形と馬を使って虫追い祭りを披露します。
 

 
 今では田主丸青年部の現役のみならずOBや他地区JA会員や職員、田主丸商工会も虫追い祭りに参加しますが、それでも人手が不足です。300年以上続く全国唯一の祭りを絶やすことなく次世代へ引き継ぐ努力と工夫が今後も続きます。